暮らしに最適な新潟の耐雪住宅とは

新潟の「耐雪住宅」とは

自分たちの暮らしに最適な「耐雪住宅」を選んでください

【耐雪住宅の名称】


「耐雪住宅」とは、新潟の中越地方のような大量に雪の降る地域で生まれた建物の様式であり、ほかに「落雪式」や「融雪式」などがあります。
 

【耐雪住宅の意味】


耐雪とは、デジタル大辞泉によると「積雪や降雪に対してもちこたえること」とされ、耐雪設計の住宅や耐雪設計のカーポートなどの言い回しが一般的なようでありますが、正確には「降雪時や積雪時の雪の荷重に耐える設計をした住宅」の事を耐雪住宅と呼びます。
 
「耐雪住宅」とは特定の地域でのみ使われる言葉であり、発祥は新潟県中越地方の豪雪地域で生まれたのではないかと推測されます。新潟県中越地域は世界でも有数な豪雪地域と言われ、近年の正式な記録だと昭和55年の十日町市にて最大積雪深を413㎝が最大のようであります。
 
世界でも積雪深だけを言えば、400㎝を超えるところは多数ありますが、積雪深がありかつ人が住んでいる新潟中越地方のような地域は少ないようです。こういった地域を一般的に豪雪地域と呼び、日本の法制度上は特に豪雪地帯対策特別措置法に基づき指定された地域を指しています。
 
今回の「耐雪住宅」については、豪雪地域の新潟県中越地域と耐雪住宅の発祥とされる十日町市を背景に詳細を説明していきます。
 
この豪雪地域の住まいは古来より道具を使用し人力での雪を下ろすことが一般的でした。
しかし、高度経済成長期とともに住宅業界の技術や性能も進化していき、多種多様な構法や素材も生まれてきました。茅葺屋根や瓦屋根が主体であった屋根形状も、これらの屋根材と塗料の進化により、雪の滑りやすい材質が生まれとのです。そして、降雪時の雪を積もらせずに自然に落下させる、いわゆる「落下式屋根」住宅が、高度経済成長期の後半に生まれたのではないかと思われます。
人力で屋根の雪を下ろしていた時に比べ自然に雪が落ちるため、大幅に労力を削減でき、この落下式屋根の普及率は大きかったと思われます。
しかしながら、降雪の多いときは屋根から落ちた雪が屋根まで届き、軒先を損傷する可能性があります。
そのためには建物を高くする必要があり、結果として3階建てが推奨され、基礎部分を高くし「高床式住宅」という呼び名の建物が生まれたのもこの頃ではないかと推測されます。
これは新潟県の十日町市や長岡市並びに近隣地域の特例であり、高床部分は固定資産税等の課税対象にならないなどの優遇があったのですが、現在ではグレーゾーンとされ自治体により対応が様々なようです。
 
ただし、落下式では落ちた雪が隣地境界を超えないよう、広い敷地を必要とします。よって、隣接した住宅地での建て替えには不向きです。
かつ、落雪時の雪が屋根を滑る音が大きく建物が揺れたり、3階建てとなると高齢者には階段の登り降りが適さないなどのデメリットもあり、現在も「落雪式」は、好みや賛否がわかれているところです。
 
続いて生まれたのが熱で雪を融かす、「融雪屋根」です。
屋根材の下に銅管をはわせ、銅管の中の沸騰液を灯油を燃料としたボイラーで温め循環させることで屋根の雪を融かす、という装置を使った屋根です。
当時は画期的な技術であり、広い敷地を必要とせず、かつ新築から既存住宅の屋根でも施工できるということもあり広く普及しました。
灯油の他、電気で発熱するタイプや地下水との併用するタイプ、生活熱を利用するタイプなど多岐にわたり派生しました。
しかし、原油価格の高騰により、冬期間の燃料費が数万とも数十万ともいわれるランニングコストの増大にともない、現在ではあまりメジャーな装置とは言えなくなりました。 
「融雪屋根」の家でも、せっかくの装置を作動させず、昔のように人力での雪下ろしをする家庭も見かけるようになりました。
 
そこで、次に出てきたのが今までの「落とす」「消す」から「貯める」方法の「耐雪式」が出てきました。
第一棟目の時期は定かではありませんが、2000年前後ではないかと思われます。耐雪式は地場ゼネコンがはじまりとされ、新潟県内でも学校や病院などの大型建造物の建設を手掛けていた業者だといわれています。
大型建造物は構造計算を必須としかつ許容応力度計算を行うことにより積雪荷重も考慮した建造物であり、基本的に耐雪性能を有していたため、その考え方をそのまま住宅に流用したものが耐雪住宅のはじまりとされています。
 
大型建造物の考え方をそのまま住宅に移行したため、構造はRC造やS造のどちらかが耐雪住宅と元祖といわれています。
雪を貯めるため広い敷地を必要とせず、雪をおとさないため軒先に積もった雪が届く心配がないので、2階建てでも問題ないことで徐々に耐雪住宅と言う名前が広まってきました。
ただ、木造に比べ建設コストや固定資産税の増加に伴い普及率は飛躍的に高まったとは言えないようでした。
 
この時点で雪国の住宅は「落雪式」「融雪式」「耐雪式」の3種類がメジャーとなり、新潟県内の自治体でも一般の住宅と比べコストのかかる雪国の住まいに役立つ克雪補助金という補助制度を設立するなど、「落雪式」「融雪式」「耐雪式」は雪国特有の建設様式となりました。
 

【落雪式】


落雪式では、高床式2階建てと言われる、1階がRC造で2,3階が木造の建物が雪式ではメジャーです。現在の新潟県内でも多く普及していますが、近年では木造3階建ても見かけるようになってきました。
雪の重さが建物にかからないため、木造部分のコストを抑えられるのが特徴的でありますが、前述にも記載したように、雪が屋根を滑る時の音に注意が必要であり、夜 眠れないという方もいるようです。
また、近年高気密化が進み 生活熱が屋根まで伝わらないため屋根と雪が凍り付いて滑らず、数十㎝積もってから雪の自重で一気に落ち始めるため落雪時に建物が大きく揺れるという現象も起こっています。
このようなことを防ぐためには、屋根の内部の熱気の確保や耐震性も考慮する必要があります。
敷地に関しても滑り落ちた雪が隣地に侵入しトラブルとならないよう、一定以上の距離を確保するか、隣地の所有者と建設前に書面による承諾を得る必要があります。
一定以上の距離については自治体により異なるようですが、屋根の長さの8割以上の長さを軒下から境界まで確保する必要があるといわれています。
 
木造3階建てが増加した背景は、1階のRC部分の天井を総スラブ(コンクリートの床)にすることが必須となりコストの増加とRC部分の工期がかかるため工期短縮のために増加したとようです。
屋根に上がらなくてもよいことが最大のメリットであるため、雪下ろし時の転落の可能性がなく、これからもなくてはならない雪国の建設様式の一つといえます。
 

【融雪式】


融雪式は、文字通り雪を融かすため敷地や建物形状を考えなくても良い事と、既存住宅にも設置できるという事が最大のメリットと言えるようです。
近年では、電気式や派生した融雪式も多数でてきているようですが、多雪地域での効果の程はあいまいなようで、導入には十二分に気をつけていただきたいと思います。
燃料費の高騰による、生活費の圧迫を気を付ければ問題ないの装置ですが、設置費用に100万単位でのコストがかかりボイラーなどのメンテンナンス費用が掛かることは理解しておいてください。
高齢者のみの世帯や、密集地でのリフォームには最適な設備といえます。ランニングコストが抑えられれば普及率も一気に増える装置だと思います。